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ハイブリッド車のメンテナンスに関しては、従来のガソリン車とは異なり特殊な操作方法や手順が必要になることがあります。
とくにハイブリッド車のブレーキには、回生ブレーキ構造が採用されているためブレーキフルードを交換する際は、『ブレーキ制御禁止モード』と言うメンテナンス専用のモードに切り替えなければなりません。
この記事では、ハイブリッド車特融の回生ブレーキ構造やトヨタハイブリッド車のブレーキフルード交換について紹介させていただきます。
ハイブリッド車の回生ブレーキ構造について
ハイブリッド車の回生ブレーキとは、通常の油圧ブレーキとモーターの抵抗を利用して車にブレーキをかける仕組みです。
一般的なガソリン車の油圧ブレーキは、ブレーキペダルを踏むことでブレーキフルードに力が伝わりブレーキをかける仕組みになっています。
この場合ブレーキの運動エネルギーは摩擦エネルギー(熱エネルギー)として消滅します。
しかしハイブリッド車の回生ブレーキでは、ブレーキ時に消滅していた摩擦エネルギーをモーターで電気エネルギーとして回収し、モーターの回転抵抗で発生した車を止めようとする力を油圧ブレーキの力と同時に利用します。
そのためハイブリッド車のブレーキフルードは、アキュームレ―タにより油圧ブレーキとモーターの力を必要に応じて調整しています。
ブレーキフルードの交換を行う場合は、この制御を一時的に解除する『ブレーキ制御禁止モード』と言うメンテナンス専用の設定に切り替えてから作業を行う必要があります。
ブレーキ制御禁止モードに関しては以下の記事をご覧ください。
ハイブリッド車の整備モード、認証モード、ブレーキ制御禁止モード
トヨタハイブリッド車のブレーキフルード交換について
一般的なガソリン車のブレーキフルードを交換する際は、左後ろ、右後ろ、左前、右前、と言う順番でぺダリングを行うと思います。
しかしトヨタハイブリッド車の場合は、『ブレーキ制御禁止モード』に切り替えてからブレーキフルードをリザーバータンクにセットします。
次に右前のブレーキで10回ぺダリング。最後はペダルを踏み終えると同時にブリーダプラグを締める。と言う方法でブレーキからフルードを抜きます。
続いて左前のブレーキも右前と同様に10回ぺダリング。最後はペダルを踏み終えると同時にブリーダプラグを締める。と言う方法でブレーキからフルードを抜きます。
そして左後ろのブレーキでは、ブレーキペダルを踏みっぱなしの状態でポンプからフルードが圧送されるのを確認し、7秒間ほど抜いてからブレーキペダルを踏んだままブリーダプラグを締める。と言う方法でブレーキからフルードを抜きます。
残りの右後ろのブレーキも左後ろと同様に、ブレーキペダルを踏みっぱなしの状態でポンプからフルードが圧送されるのを確認し、7秒間ほど抜いてからブレーキペダルを踏んだままブリーダプラグを締める。と言う方法でブレーキからフルードを抜きます。
最後にプッシュボタンを押すかキーを回して一度IGOFFにしてからまたIGONに戻します。この状態でブレーキペダルを数回ぺダリングして、ブレーキポンプの作動(ジーと言う音)を確認してからIGOFFにします。
ブレーキフルードのリザーバータンクの液面を補助ラインもしくはMAXラインに合わせます。これでトヨタハイブリッド車のブレーキフルード交換は完了です。